Japanese Scenery (I): Mount Fuji

日本の風景(I):富士山

富士山は、東京の西に位置する日本の本州にあります。静岡県と山梨県の県境にまたがり、標高12,388フィート(3,776メートル)を誇る日本最高峰です。富士山は活火山で、最後に噴火したのは1707年です。何世紀にもわたり、この完璧な形をした火山は神聖な山として崇められ、芸術家や一般の人々から親しまれてきました。

芸術家のミューズ

富士山・神奈川沖浪裏

何千年もの間、この雄大な自然の驚異は数え切れないほどの芸術家にインスピレーションを与えてきました。富士山の今日の地位は、葛飾北斎(1760-1849)と広重(1797-1858)による浮世絵木版画に負うところが大きいでしょう。葛飾北斎は江戸時代(1603-1867)の画家です。彼は人間を絵画の中心に据えない新しい芸術形式を生み出しました。彼の『富嶽三十六景』は、富士山の描写の中でも最高峰の一つです。富士山を描いた絵画の中でも、 『神奈川沖浪裏』は最も有名な作品です。

富士山は、日本2000年の歴史の中で、詩歌、小説、絵画を通して芸術家たちによって讃えられてきました。日本最古の歌集である万葉集には、富士山を詠んだ歌が11首収められています。日本最古の架空物語である『竹取物語』は、富士山の頂上から煙が上がる描写で終わります。奈良時代(710~794年)と平安時代(794~1185年)には、富士山を描いた絵画が数多く制作されましたが、その多くは歴史の過程で失われてしまいました。富士山を描いた最も古い絵画は、『聖徳太子絵伝』です 聖徳太子が黒馬に乗って富士山の上を飛んでいる様子を描いたものです。

信者のための聖地

富士山神社

富士山は、一部の人々にとって山であると同時に神社でもあります。富士山に関する宗教的信仰は、神道、仏教、修験道、そして民間信仰が融合しています。仏教と神道の信者たちは、修行のためにここに集まります。富士山は寺院や神社に囲まれており、火口の縁や麓にも神社があります。登山は古くから宗教的な営みであり、「富士講」と呼ばれる富士山を信仰する宗教団体さえ存在します。

神道では、富士山に1,300社ある浅間神社の総本宮である富士山本宮浅間大社が鎮座しています。登山道と気象台を除き、富士山八合目(標高3,100メートル)より上の土地はすべて本宮の所有です。本宮はもともと火山の噴火を防ぐために創建されました。

民間信仰において、富士山は幸運の象徴です。日本人は1月2に富士山の夢を見ることを最も縁起の良い前兆と捉えています。また、1月3に富士山を眺めるという日本独自の習慣もあります。

富士山の楽しみ

富士山

富士山を楽しむには登山しかないと思っているなら、それは間違いです!どんな旅のスタイルでも、富士山はきっとあなたの好みに合うはずです。ユネスコは富士山周辺地域に25の文化遺産を認定しています。これらの遺産のそれぞれから、雪を頂いた山頂を眺めることができます。

自然の景色がお好みなら、富士山周辺で最も有名なのは富士五湖、富士箱根伊豆国立公園、三保松原です。また、富士山周辺には温泉もあり、湯に浸かりながら山頂の息を呑むような美しさを堪能できます。建築物がお好みなら、富士吉田浅間神社や箱根彫刻の森美術館など、富士山麓には数多くの寺社や美術館があります。

ゆったりと観光を楽しみたいなら、富士山まで行かなくてもその雄大な景色を満喫できます。東京と大阪を結ぶ電車を乗り継ぐだけで、新富士駅付近から富士山の絶景を堪能できます。あるいは、富士急ハイランドの大観覧車に乗って、高い場所から富士山の美しさを楽しむのも良いでしょう。もちろん、体を動かしたいなら富士登山がおすすめです。さらに、少し変わったアクティビティを楽しみたいなら、山をぐるりと周遊したり、スキーやパラグライダーに挑戦したりするのもよいでしょう。

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