「香道」は「香りの道」を意味する日本の香道です。日本の香は芳香植物と精油から作られ、瞑想やアロマセラピー、あるいは穏やかでリラックスできる空間づくりに用いられます。西洋の香水とは異なり、香道は嗅覚よりも精神的なレベルに働きかけます。歴史を通して、香は日本の書道、文学、そして茶道に大きな影響を与えてきました。
鼓童とは何ですか?

香道の香りは「六国五味」、つまり六つの国と五つの香りに分けられます。六国とは、伽羅(きゃら)、羅国(らこく)、真中(まなか)、真名番(まなばん)、素戔(すまとら)、沙空(さそら)の六つの国の香木を指し、五つの香りとは、甘(あまい)、苦(にがい)、辛(からい)、酸(すっぱい)、塩辛(しおからい)の五つの香りを指します。日本のお香は通常、それぞれの香木の割合によって複数の香りをブレンドして作られます。これらの香りを嗅ぎ分けるには、長年の修行と繊細な嗅覚が必要です。
香道は通常、伝統的な和室で執り行われ、厳粛かつ静かなひとときとなります。亭主は香炉の上に香木を置き、下から炭で熱します。亭主は香炉を左手のひらに持ち、人差し指と親指の間に小さな穴を開け、そこから息を吹き込みます。その後、香炉は参加者から次の参加者へと渡されます。最初の香が焚かれると、次の香が焚かれます。香道の目的は、香りを体と心に染み込ませ、香の真髄に「耳を傾ける」ことであるため、参加者はただ静かに聞き、見守ることが求められます。香道への参加は健康に良いとされています。『此儒徳』には、香道の十徳として以下が挙げられています。
- 感覚を研ぎ澄ます。
- 身体と精神を浄化します。
- 汚染物質を除去します。
- 精神を目覚めさせる。
- 孤独を癒します。
- 混乱した時でも人を落ち着かせます。
- 多量でも不快ではありません。
- 少量でも十分です。
- 非常に長い時間が経過するまで分解されません。
- 定期的に使用しても害はありません。
鼓童の歴史

香は、その浄化作用から、奈良時代(710~794年)に仏教儀式で初めて用いられました。その後、貴族の間でも広く使われるようになりました。平安時代(794~1185年)には、香は宮廷生活において重要な役割を果たし、衣服や扇子にも香りをつける必要がありました。
香道は戦国時代(1467-1600年)に体系化されました。武士の間で大変人気があり、彼らは戦いに備えて心身を清めるために香を焚きました。六色五味の分類は、この時代に香道の祖である三条勢によって考案されました。安土桃山時代(1573-1603年)は、日本のルネサンスとして知られる時代で、上流階級の人々による文化・社交行事が盛んに行われました。これらの行事では、香の香りと香の名前を当てたり、特定の香にまつわる詩を詠んだりするなど、香にまつわる様々な遊びや競技が登場しました。香遊びは貴族から庶民へと広まり、日常の娯楽となりました。
香道の材料

香道は、様々な香道具(香炉)を必要とする繊細な芸術です。基本的な香道具は以下のとおりです。
珠香箱:香や雲母板などを入れる三段の容器。
長盆:香道具を置くアオン盆。
コロ:香炉。
銀葉:香木と灰の間に挟む雲母板(銀葉) 。
本香盤:香炉板。
Trapa Japonica : 白いトネリコ。
しのおり:線香の小片を入れる折り紙。
銀葉箱:雲母板を入れる銀色の箱。
炭炭:臭いのない特殊な炭と炭炭。
麹立て:火道具を入れるための小さな花瓶。
銀葉鋏:四角い雲母板を扱うために使われる金属製のピンセットまたはトング
香木を雲母板に移すための杓子
コウジ:金属製の火箸。
灰押し:灰を踏み固めてならすために使用する突き固め具。
こはね:灰を掃くために使われる羽根のブラシ。