味噌は、料理に風味とうま味を加えることができる濃厚なペーストです。日本では、味噌はスープ、肉料理、鍋料理など、様々な料理に使える万能調味料です。味噌と水だけで作られる味噌汁は、世界中の日本食レストランで伝統的な前菜として親しまれています。
味噌とは

味噌は、大豆を塩と麹(コウジカビ)で発酵させて作られる日本の伝統的な調味料です。米、大麦、海藻などの材料を加えることもあります。味噌作りは時間のかかる作業で、理想の風味と食感を出すまでに数か月、あるいは数年かかることもあります。味噌の食感、色、味は、塩分濃度や材料によって異なります。一般的に、味噌単体はピーナッツバターのような食感で、塩辛い味がします。
味噌は日本料理の基本です。スープ、シチュー、グレーズ、サラダドレッシング、炒め物、つけダレ、マリネなど、様々な料理に使われます。豊かな風味を与えるだけでなく、味噌はタンパク質、ビタミン、ミネラルを豊富に含み、健康増進に効果があるスーパーフードでもあります。ミネラル、抗酸化物質(マンガンや銅など)や亜鉛の優れた供給源です。さらに、タンパク質、リン、オメガ3脂肪酸、食物繊維、ビタミンK、ビタミンB2、コリンも含まれています。
味噌の歴史

味噌の起源には2つの説があります。1つは、中国や朝鮮から味噌を使った食品が伝わるずっと以前から、日本人が独自の発酵食品である味噌を発展させてきたという説です。日本の味噌の原型は、弥生時代(紀元前400年~紀元前300年)にまで遡ると言われています。もう1つの説は、味噌は中国で生まれ、1300年前に仏教僧によって日本に初めてもたらされたというものです。中国で生まれた大豆ペーストが、日本料理の味噌や醤油へと変化しました。
本当の起源が何であれ、「味噌」という言葉が文献に初めて登場するのは平安時代(794-1185)です。当時、味噌は贅沢品であった米を含んでいたため、貴族だけが手にできる貴重な食材でした。味噌は食用だけでなく、贈答品としても使われていました。大豆の生産量が増加した室町時代(1336-1573)になって初めて、味噌は手頃な価格の調味料になりました。今日の味噌料理はこの時代に生まれました。江戸時代(1603-1867)には味噌文化が隆盛を極めました。江戸の人口が50万人に達したとき、味噌の生産は需要に追いつかなくなりました。地方から多くの味噌が江戸に送られ、味噌屋は繁盛しました。多くの飲食店が味噌を使った料理を販売し、味噌を使った新しい料理を開発しました。
味噌の種類

味噌には原料や発酵期間によって1,000種類以上あり、食感や風味、色も異なります。
原料別の味噌の種類:
米味噌:米、大豆、塩から作られる味噌。日本で作られる味噌の80%は米味噌です。
麦味噌:大麦、大豆、塩から作られた味噌。独特の香りと爽やかな味わいが特徴。色は濃く、塩辛い。
豆味噌:大豆と塩から作られた味噌。独特の辛味が特徴で、非常に粘り気のある濃い茶色のペーストです。
調合味噌:2種類または3種類の味噌をブレンドして作られた味噌。米味噌、麦味噌、豆味噌以外の味噌も調合味噌に分類されます。
味噌の種類(味別)
味噌の味の強さは、塩分濃度と麹歩合(米または麦と大豆の比率)によって左右されます。塩分濃度が同じであれば、麹歩合が高いほど味噌は甘くなります。
甘味噌:塩分5~7%、麹歩合15~28%。
あまくち味噌(淡口味噌):塩分7~12%、麹歩合12~17%。
辛口味噌(塩味噌):塩分11~13%、麹歩合50~100%のもの。
色による味噌の種類:
味噌の色は、使用する材料、加える麹の量、大豆を煮るか蒸すかなど、さまざまな条件によって決まります。
赤味噌(あかみそ):味噌の中で最もタンパク質含有量が多い。色は濃い琥珀色から栗色まで様々。
白味噌:赤味噌に比べて発酵期間が短いため、赤味噌よりも塩味がやや控えめです。
淡色味噌:白味噌と同じ製法で作られますが、塩分が多く含まれています。