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漆器:繊細な日本の漆器

漆器は日本を代表する伝統工芸品の一つです。心地よい滑らかな手触りと艶やかな見た目で、古くから日本人に愛されてきました。繊細な作品からシンプルなデザインまで、漆器は食器、容器、装飾品、そしてファッションアイテムにも用いられています。

漆器とは

漆器

漆器(しっき)は、紙、籠、革、木製品などに「漆」を塗る日本の工芸品です。「漆」は美しい色と光沢を与える日本の漆です。漆は、ウルシ(Rhus vernacifera)の樹液から作られます。樹液は天然の状態では有毒です。そのため、採取した樹液は3~5年間貯蔵され、その後、濾過・脱水処理によって不純物が取り除かれます。処理後、樹液は蜂蜜のような質感の透明な樹脂となり、様々な色に染めることができます。

漆器は主に「黒塗」と「朱塗」を特徴としています。漆器の最大の特徴は、耐久性と耐水性に優れていることです。様々な素材に塗ることで、その強度を高めることができます。経年変化で塗膜が薄くなったり、欠けたりしても、容易に修復することができます。漆器の種類としては、食器、装飾陶器、容器、花瓶、家具、茶道具などがあります。

漆器の歴史

漆器

日本における漆の木に関する最古の記録は、縄文時代(紀元前6,000~300年)に遡ります。縄文時代後期になると、日本人は漆の樹液の耐久性に気づき始め、木製品、陶器、籠などの表面に漆を塗り、長持ちさせるようになりました。装飾用途に漆が使われるようになったのは、奈良時代(西暦710~794年)になってからです。この時代に漆の技術は進歩し、金銀象嵌という象徴的な模様が生まれました。

平安時代(794-1185)には、日本人は漆で模様を描き、その上に様々な大きさの金属粉(金、銀、銅)を蒔く独自の蒔絵技法を開発しました。鎌倉時代(1185-1333)には、中国の宋から伝わった漆彫技法が、木を彫って漆を塗る鎌倉彫りという技法のインスピレーションとなりました。室町時代(1336-1573)には、最も複雑で高度な技法である蒔絵によって、漆器は海外の宮廷でも知られるようになり、天皇への貴重な献上品となりました。江戸時代(1603-1868)には、漆器の輸出が拡大しました。漆器は世界中で人気を博し、イギリスでは陶磁器を意味する「china」と同じように「japan」という言葉で漆器を指すようになりました。

漆器の技法

漆器

何世紀にもわたって漆器の技法は発展し、作品に新たな要素が加えられるようになりました。漆器の技法には以下のようなものがあります。

漆塗りの竹:竹を細長く割って漆を塗り、様々な形に成形します。

乾漆:粘土と石膏で型を取り、その型に漆を塗ります。型から外した後、作品にさらに漆を塗り重ねます。

蒔絵:漆器の代表的な技法。表面に文様を描き、その上に金粉を蒔いて施す豪華な装飾です。

漆絵:色とりどりの漆で模様を描く、最も古くシンプルな漆器技法です。

螺鈿:漆器の上に貝殻の内層を貼り、虹色に輝かせます。

彫漆:木材に漆を何層にも塗り重ね、理想的な形に彫り上げます。

象嵌:金属(金、銀、銅など)を薄い板状に切り、様々な形に象嵌する技法。

卵殻を細かく砕き、漆器に模様を描く顔料として用いる。

鎌倉彫:木に模様を彫り、漆を塗って仕上げます。

沈金:漆器の表面に線や点を曲線で描き、その中に金粉や金箔を象嵌したもの。

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