Shinise (IV): Yagikashiho Yokan

新世(IV):八木樫峰羊羹

この老舗に足を踏み入れると、居心地の良い、心を惹きつける雰囲気がお客様をお迎えします。伝統的な襖を開けると、優美な装飾が施された空間が広がり、そこには職人の技が光る逸品が丁寧に並べられています。一つひとつの展示は細部までこだわり抜かれ、時代を超えた日本文化の価値観と共通のエッセンスを体現する、最高の職人技が光ります。現代の様々な課題に直面しながらも、この老舗は伝統を守り続け、日本社会におけるその揺るぎない重要性を支え続けています。

八木菓子舗 洋館- 1910創業

羊羹

北海道南部、日高地方日高郡の中央沿岸部に位置する新ひだか町は、北海道唯一の町です。2006年に、それぞれ1町であった後志郡の静内町と三石郡の三ツ駅町が合併し、新ひだか町が誕生し、新たに日高郡が誕生しました。南西部は太平洋に面し、北東部は雄大な日高山脈が広がり、静内川の河口周辺に市街地が広がっています。

現在の日高支庁(旧称:日高庁)は、明治時代の1869年に設置された日高国に起源を発します。「日高」の地名は、『日本書紀』に「東夷の国に日高という国あり(略)、皆蝦夷と称す」と記されていることに由来すると考えられています。

この地域は、良質な米、日高昆布、たらこ、イクラ、新巻き鮭、昆布焼酎、昆布ワイン、そして元祖山木羊羹などで有名です。また、この地には、長年愛され続ける老舗和菓子店も点在しています。

京都伏見に1910年創業の「八木菓子舗 月草商店」は、八木菓子舗の味をヒントに山羊羹を考案しました。三石のバス停から徒歩1分、苫小牧駅からは車で約2時間の場所にあります。近江出身の八木豊吉氏が創業したこの和菓子店は、京都伏見の八木菓子舗の味をヒントに試行錯誤を重ねてきました。二代目・南安蔵氏は、京都で親しまれている八木菓子舗の味を再現しようと、店名を「月草商店」、商標を「山羊羹」としました。ラベルのデザインも南安蔵氏が手掛けました。

山木羊羹は、砂糖、十勝産小豆、寒天のみを使用して作られています。北海道の羊羹は小豆の豊かな風味で知られていますが、山木羊羹も例外ではなく、北海道の恵みである小豆の真髄を凝縮した、芳醇な味わいです。それぞれの地域の良質な素材を使ったお菓子は、格別な美味しさであることは広く知られています。

八木菓子舗の羊羹は、濃厚で甘く、それでいてほのかにまろやかな味わいが特徴です。厳選された砂糖を丁寧に仕込むことで生まれる甘みが、十勝産小豆本来の自然な甘さと絶妙なバランスを生み出しています。小豆自体の風味が、ほのかなナッツの風味とほのかな土っぽさを醸し出し、深い味わいを生み出しています。

八木菓子舗の羊羹は、なめらかでベルベットのような食感で、口の中でとろけるように溶けていきます。一口ごとに、心地よく、そして贅沢な満足感と甘美な味わいが広がります。

八木菓子舗の羊羹の特徴は、素材本来の風味を活かすことにこだわっていることです。丁寧な職人技と細部へのこだわりにより、甘み、コク、そしてほのかな土っぽさが絶妙なバランスで調和し、まさに格別な羊羹が生まれます。

住所:北海道日高郡新ひだか町御津駅35

写真出典: https://www.gansomitsuishiyokan.com/?mode=cate&cbid=1746363&csid=0
やぎかしほ 2023/7/17

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