香川県中西部(中讃地方)に位置する丸亀市は、豊かな歴史と文化遺産を有しています。1899年に市制が施行されて以来、幾度かの合併・編入を経てきました。江戸時代には丸亀藩の城下町として栄え、亀の形に似た亀山に丸亀城が築かれていました。
この市は、丸亀団扇(全国生産量の90%を占める)、柿渋塗り和紙を使った竹細工の讃岐一番丁、広島の塩爆列島で採掘される花崗岩の青木石など、伝統的な地場産品で有名です。
丸亀には、桃、はっさく、香川名産の本高唐辛子、六萬色、和三盆糖、おいりなどの伝統菓子、讃岐うどん、骨付き鶏、どぜう汁(ドジョウ入り)、つきな汁(さだまさしの歌詞に着想を得た架空の料理)など、様々な特産品があります。さらに、老舗の飲食店、菓子店、食品店、物産会社、酒蔵など、食の伝統を守り続けています。
鳳月堂— 1917年創業

賑やかな街並みの中に、丸亀の文化と伝統の真髄を求める人々を、宝物が待っています。1917年の創業以来、1世紀以上にわたり、老舗和菓子店として愛され続けてきた豊月堂。登録有形文化財にも指定されているこの歴史あるお店は、今も昔ながらの製法で伝統的な和菓子を作り続け、丸亀の豊かな菓子文化の伝統を今に伝えています。
2017年に創業100周年という輝かしい節目を迎えた豊月堂は、丸亀の魅惑的な美しさの中で栄え続けています。壮麗な丸亀城、穏やかな瀬戸内海、そして豊かな文化資源は、地域住民の揺るぎない支援のもと、伝統的な和菓子を守り、守り続けるためのインスピレーションとなっています。
新たな章へと踏み出すにあたり、豊月堂は丸亀の輝かしい伝統と、これから待ち受ける希望に満ちた未来をどのように繋げていくかを思案しています。彼らのビジョンは、献身的な人々、大切に受け継がれてきた工芸品、そして革新的な取り組みによって形作られる、活気に満ち、進化する街です。丸亀の自然環境、文化、そして歴史に深く根ざした、この地で育まれてきた独自のライフスタイルを大切にしながら、豊月堂は未来の世代へと豊かな遺産を継承していくよう尽力しています。
芳月堂は、丸亀への愛と地域との強い絆を原動力に、美味しいお菓子を通して丸亀、香川、そして四国の魅力を伝えたいと考えています。そして、地域ならではの想いや味を体現する企業を目指しています。楽しいお祝いの席、懐かしい思い出の席、そして何気ない日常のひととき。芳月堂のお菓子は、人々の心に温もりを宿し、心温まる会話のきっかけとなる。そんな崇高な思いを胸に、芳月堂は今もなお、たゆまぬ努力を続け、上質なお菓子を創り続けています。
芳月堂では、「おいり」「丸亀おしろもなか」「京極様丸亀和三盆」「丸亀団扇せんべい」など、香川の伝統菓子を多数取り揃えています。丸亀おいりは、天正15年(1587年)頃、姫君の丸亀城入城の際のお供え物として誕生したと伝えられています。現在でも、香川県の一部地域では婚礼の席で食べられています。もち米を原料とし、水飴、砂糖、着色料、香料でコーティングした、サクサクとした食感がたまらないお菓子です。
丸亀は団扇の産地として有名で、丸亀団扇せんべいは伝統的な団扇の形をしています。和菓子店が丹精込めて作り上げたこのせんべいは、その美味しさで常に高い評価を得ています。いちごやココアなど、様々なフレーバーが揃っています。最後に、チャイ和三盆は、スパイスをブレンドし、ほのかな香りを添えた、至福の味わいです。
住所:香川県丸亀市米屋町16
写真提供:https://hougetudou.com/
寳月堂
2023年7月24日