横手市は、秋田県南東部の横手盆地の中央部に位置し、岩手県西和賀町と境を接し、市街地を横手川が流れています。市の歴史は、1951年に平泉郡横手町と近隣の2村が合併して現在の横手市が誕生したことに遡ります。その後、昭和中期には近隣の町村との合併を経て、2005年に平泉郡5町2村を含む現在の横手市となりました。
「横手」という地名は、江戸時代初期に横手川の旧河床を埋め立てて町が発展したことに由来します。江戸時代、横手は伊達氏の久保田藩(秋田藩)の支配下にあり、現在では「横手かまくら」という伝統行事で知られ、遠方からも多くの観光客が訪れます。
横手市は、多様な特産品と名産品を誇りとしています。この地域は、わらび、ぜんまい、しいたけ、まつたけといった山の幸で知られています。その他、芋の子(サトイモ)や、リンゴ、ブドウ、サクランボ、スイカといった果物も特産品として知られています。また、フルーツジュース、ワイン、蜂蜜、ホップ、日本酒、納豆、昆布加工品、いぶりがっこなどの漬物、そば、餅、豆腐カステラ、日本三大焼きそばの一つである横手焼きそば、十文字ラーメンなども有名です。
横手市は近代的な発展を遂げているにもかかわらず、老舗のレストラン、洋菓子店、食料品店、酒蔵、伝統的な旅館などが数多く残っており、街の文化的魅力を高め、訪れる人々に横手の伝統と現代の両方の側面を味わわせてくれます。
露月堂—— 1926年創業

十文字駅から徒歩わずか7分の場所に、昔ながらの和菓子店「露月堂」があります。1926年の創業以来、地元の人々に愛され、愛される老舗和菓子店として、地域に根ざした風情あるお店です。
露月堂に足を踏み入れると、懐かしい雰囲気と温かいおもてなしにタイムスリップしたような気分になります。近隣の学生たちがプール帰りに立ち寄り、お茶と風味豊かな餃子でひとときの休息をとるなど、地域住民の憩いの場としての役割を誇りを持って担っています。
気配りの行き届いた店主は、お客様一人ひとりを心から歓迎し、通常の売り手と買い手のやり取りを超えた、真摯で個人的な繋がりを育んでいます。近隣地域からの常連客も頻繁に訪れ、お気に入りのお菓子を購入するだけでなく、店主と親しく会話を交わし、近況を報告し合ったり、近況報告をしたりしています。
活気と温かみのある雰囲気を持つ露月堂は、まさにコミュニティと郷愁の精神を体現しています。地元の人々も観光客も、横手市を特別な場所にしている豊かな味と温かいつながりに浸ることができる、大切な場所となっています。
温かく居心地の良い雰囲気に加え、露月堂は、昔ながらの製法で丁寧に作られる極上の伝統菓子で知られています。中でも、この店の看板商品である「しっとり饅頭」は、この店の誇りです。この柔らかな蒸し饅頭は、独自の製法で丁寧に蒸し上げられます。この饅頭の完成には、なんと6年もの歳月と職人の技が注ぎ込まれていると言われています。しっとりとした食感と繊細な風味が口いっぱいに広がり、その名の通り、柔らかい生地とほのかな甘さの餡が絶妙なバランスで口の中でとろけていきます。しっとりふわふわの食感、そして芳醇な香りと風味が、私を一瞬にして虜にしました。

名高い「しっとりまんじゅう」に加え、露月堂では秋田名物として愛されている「バター餅」も提供しています。近年、この逸品は大変人気を集めています。伝統的な餅にバターを合わせることで、絶妙な風味が生まれます。脂っこいと思われがちですが、その絶妙なハーモニーと絶妙な美味しさに驚かされます。秋田県北部の喜多方市で40年以上前に誕生したバター餅は、もともと地元のマタギの冬の狩猟の保存食として食べられていました。テレビ番組で紹介されたことをきっかけに人気が広がり、秋田県内の様々な菓子店で人気の逸品となりました。餅にバターを練り込むことで、保存期間が長くなるだけでなく、しっとりとした食感も格段に向上します。一口食べるごとにバターの芳醇な香りが広がり、至福のひとときを味わうことができます。
写真より: https://www.rogestudo.com/l 蕗月堂8/14/2023