畳は、日本で1300年以上も受け継がれてきた伝統的な床材です。日本人は、この美しく快適な畳の上で多くの時間を過ごしてきました。デザインの改良により、新しい畳は様々なニーズや好みに応えるため、より多くの選択肢を提供しています。
畳とは

「畳」という言葉は、「畳む」という動詞に由来し、「折りたたむ」という意味です。畳は薄く(約1.5cm)、使わない時は折りたたんだり重ねたりすることができます。畳は伝統的な和室の床材として使われ、座ったり寝たりするために使われます。畳のサイズは通常9.1cm x 18.20cmです。畳は規格サイズで作られるため、「丈」と呼ばれる基準寸法としても使われています。日本の伝統的な畳は、柔らかな色と藁のような香りがします。また、畳は湿度を調節し、断熱層としても機能します。畳を傷つけないように、畳の部屋に入る際は靴やスリッパを履いてはいけません。
畳は3つの部分から構成されています。畳床は畳の内側で、伝統的に圧縮された藁が詰められています。畳表は畳の表側で、乾燥したイグサを細かく編んで作られています。新しい畳は緑色ですが、時が経つにつれて黄色に変わります。畳縁は畳の端の部分です。畳の端には布が巻かれており、織り目の端を隠すようになっていますが、布が巻かれていない畳もあります。天然素材で作られた伝統的な畳は、耐久性があり、生分解性があり、環境に優しい素材です。
畳の歴史

最も古い畳は奈良時代(710~784年)のもので、5層に編んだ真菰(まこもこ)を敷き詰め、その上に乾燥したイグサを編み、縁を錦で縁取ったものです。2枚並べて寝床として使われていました。平安時代(794~1185年)の畳は貴族専用のもので、貴族の家に敷かれ、クッションとして使われていました。
鎌倉時代(1192-1333)から、畳は床材として使われるようになりました。それまでは必要な場所に敷いていた畳が、部屋全体に敷かれるようになりました。室町時代(1336-1573)には、日本の家屋の床全体が畳で覆われるようになりました。江戸時代(1603-1867)中期には、畳は庶民にも普及しました。明治維新(1850-1889)以降、畳の模様の制限はなくなり、広く庶民に広まり、農村部にも普及しました。
畳の部屋

現代の日本の住宅のほとんどはフローリングですが、少なくとも一部屋は畳敷きの部屋があります。伝統的な畳敷きの部屋は「和室」と呼ばれ、茶道や生け花といった伝統芸能が行われる場所です。また、寺院、温泉旅館、道場などでも欠かせない空間となっています。
和室には、障子、襖、押入れが一般的に設置されています。畳の部屋では、障子が窓としてよく使われます。障子は木製の格子に半透明の紙を貼ったもので、プライバシーを確保し、柔らかな自然光を室内に取り込むことができます。また、障子を設置することで、窓から吹き込む風を遮ることもできます。
押入れ(クローゼット)は、枕、シーツ、毛布などを収納する和室の小さなスペースです。日本の漫画やアニメのファンなら、ドラえもんが寝ているのが押入れであることをご存知でしょう。物を収納するだけでなく、他の用途にも使える部屋です。
襖(ふすま)は、左右にスライドする長方形の縦長の扉です。部屋と部屋を繋ぐために、また可動式の壁として使われることが多く、空間の柔軟性を高め、必要に応じてプライバシーを確保することができます。