食用海藻の一種である昆布は、日本料理に欠かせない食材です。昆布は日本料理に独特の風味、栄養、ミネラルを与えてくれるため、日本料理店での食事に昆布は欠かせません。昆布は野菜として食べられるだけでなく、だしにも欠かせない食材です。
昆布とは何ですか?

昆布は褐藻類に属し、最大80メートルにも伸びる細長い葉と丈夫な茎を持ち、通常は水深5~8メートルの深海に生息します。成長が早く、収穫に必要な成熟期に達するまでに約2年かかります。昆布の90%は、ミネラルが豊富で高品質な昆布の生育に理想的な環境である北海道地方で生産されています。グルタミン酸(MSGの原料)を多く含むため、ベジタリアンにも最適な食品です。
昆布は保存や輸送のために乾燥させられることが多いです。陸に上がると、岩の上で乾燥させます。中には、蔵籠(くらがこい)と呼ばれる熟成工程を経るものもあります。この工程により、昆布の風味が向上し、独特の海藻臭が除去されます。昆布はほのかな塩味と甘味を持ちます。日本料理では、特にスープにうま味を加える調味料として広く使われています。
昆布の歴史

古代日本語では、食用の海藻は総称して「め」と呼ばれていました。「昆布」の語源に関する最も有名な説は、中国語の「昆布」に由来するというものです。「昆布」はもともと青い糸で編んだ縄を意味していましたが、形が似ていることから、海藻全体が「昆布」と呼ばれるようになりました。
昆布の消費に関する最も古い記録は、縄文時代(紀元前14,000~300年)に遡ります。考古学者たちはいくつかの遺跡で昆布の遺構を発見しており、当時から昆布が消費されていたと推測されています。室町時代(西暦1336~1573年)には、新たに開発された乾燥技術によって昆布の保存期間が延長され、東北地方の重要な輸出品となりました。江戸時代(西暦1603~1867年)には、北海道の開拓と交通網の発達により、昆布は日本全国で一般的な食材となりました。江戸時代以降、沖縄の伝統的な料理は昆布を多用してきました。沖縄は、世帯当たりの昆布消費量が他のどの地域よりも多かったのです。
20世紀には昆布の栽培方法が発見され、昆布は安価で入手しやすくなりました。1960年代以降、乾燥昆布は日本から多くの国に輸出されるようになり、現在ではスーパーマーケットや健康食品店で見つけることができます。
昆布の使い方

日本では、昆布は主にだし汁を作るのに使われます。日本でよく食べられている昆布には以下の4種類があります。
真昆布:真昆布は山梨昆布とも呼ばれ、薄茶色で、くさび形の葉を持つ昆布です。高級料理によく用いられます。出汁は澄んだ繊細な味わいで、ほのかな甘みがあります。煮込み料理、塩昆布、とろろ昆布にも使えます。
日高昆布:この濃い色の昆布は、普段の料理によく使われ、味噌汁、煮物、関東風の具材、おにぎりなどによく使われます。茹でると他の昆布よりも柔らかく、コクのある味わいになります。
利尻昆布:日本の最北端の島で採れる昆布です。だしを取るのに最適な昆布として知られています。この昆布で取っただしは、クセがなく、スープを作るだけでなく、湯豆腐や昆布汁など、精進料理にも使われています。
羅臼昆布:幅広で薄い葉が、昆布の旨味をしっかりと引き出し、だし汁として美味しくいただけます。最高級の食材とされ、特別な機会にのみ使われます。茹でると溶けやすいため、鍋料理のスープやだし汁、塩ラーメンなどによく使われます。