"もったいない"  What a Waste!

「もったいない」なんてもったいない!

「ねえ、まだこの黒いズボンを履くつもりなの?」と母親が尋ねた。「もう必要ないんでしょ?」

「いいえ、捨ててください」と息子は答えました。

「無駄にするのはもったいない!」と母親は叫びました。「細かく切れば、掃除用の布巾として使えるのに。」

「なあ、なんでコーヒーを淹れた後、いつもコーヒーかすをそのままにしておくんだ?」と夫が尋ねた。「部屋が散らかるじゃないか。捨てたらどうだい?」

「もったいないわね!」と妻は言った。「こんな風に部屋に置いておくと、実は臭いも消せるのよ。知らなかったの?どうして今まで気づかずに生きてきたの?」

夫は恥ずかしさのあまり口を閉ざした。

「もったいない」

この言葉は日本の日常生活でよく使われるフレーズです。直訳すると「なんてもったいない!」となりますが、真の意味は単なる言葉の枠を超えています。

日本を頻繁に訪れる旅行者は、自然資源が豊富で、どこでも美味しい食べ物が手に入るというイメージを持っているかもしれません。確かに、山からは様々な野菜や果物が採れ、海からは旬の魚が獲れますが、日本は4つのプレートが交差する位置にあるため、地震の影響を受けやすい国でもあります。毎年、フィリピン海で発生する熱帯低気圧が日本上空を通過し、農業に大きな脅威を与えています。自然災害による土砂崩れは、地上の農作物に甚大な被害をもたらし、台風の際には荒れた海で、どんなに勇敢な人でも漁をすることは不可能です。

自然災害の恐怖を経験した日本人は、食料が必ずしも確保されているわけではないことを知っています。彼らは、すべてのものは自然から生まれ、自然はそれを奪い去ってしまうこともあることを学んできました。その結果、「もったいない」という概念が生まれ、自然とそれがもたらす資源への深い敬意が生まれました。資源を大切にし、無駄を省くというこの精神は、日本人の行動に深く影響を与えてきました。

子どもの頃、無駄なことをすると罰が与えられると母や先生からよく警告されていました。

「無駄なことをしたら罰せられるよ」

「食事を残さないと、夜に『残飯の幽霊』が現れる」

これらの教えは、神々が常に私たちを見守っていて、私たちの悪い行いに対して罰を与えることができるという信念に根ざしていました。

日本では、「いただきます」という言葉は食前の作法として欠かせないものです。本来の意味は「食べ物を供え物として持ち上げる」ことです。「いただきます」と言うことで、神様からいただいたものへの感謝と、お返しする意思を表します。神様からいただいたものを大切にし、無駄にしないという考え方は、多くの宗教に見られ、畏敬の念と崇敬の念の源となっています。

商店街では、日本の哲学を商品選びに取り入れるよう努めています。サステナブルな商品であることを強調するため、以下のようなロゴを付けています。なぜこのようなことをするのでしょうか?その疑問に答えるために、いくつかのデータを詳しく見ていきましょう。

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自給率(SSR)という言葉をご存知かもしれません。これは、消費される食料のうち、自国が生産する食料の割合を指します。農林水産省(MAFF)によると、2021年の日本のSSR(カロリーベース)は38%でした。これは、SSR121%の米国や233%のカナダなど、他の先進国と比べて大幅に低い数値です。食品別に見ると、日本人は伝統的に米(97%)、野菜(79%)、魚介類(52%)のSSRが高い傾向にあります。しかし、輸入に大きく依存している小麦、大豆、油脂に関しては、日本のSSRはそれぞれ16%、6%、13%と低くなっています。

SSRが低いと、食べ物をより大切にするようになると考えられがちですが、現実は全く異なる可能性があります。

農林水産省によると、世界では毎年13億トン以上の食品が廃棄されています。残念なことに、日本はこの数字に大きく貢献しており、年間600万トンもの食品が廃棄されています。驚くべきことに、日本では全食品の約27%が廃棄されており、これはパンの約4枚に1枚が廃棄されている計算になります。その結果、日本は食品廃棄物の量が世界で3番目に多く、一人当たりの食品廃棄物量では世界6位となっています。

なぜ私たちはこれほど多くの食品を無駄にしてしまうのでしょうか? 食べ残しだけでなく、スーパーやコンビニで売られている調理済み食品も、賞味期限が切れるとすぐに捨てられてしまうことがよくあります。さらに、日本の消費者は食品の美的感覚に高い基準を持つ傾向があり、傷や汚れのないリンゴなど、見た目に完璧な食品を好みます。最近、ある食品工場を訪れた際、レモンの皮は完全に食べられるにもかかわらず、作業員が手作業で傷を取り除いているのを目にしました。

日本はSSRが低いにもかかわらず、依然としてかなりの量の食品ロスが発生しています。本当に残念です!私たち商店街は、環境に優しい日本食を世界に広めることに尽力しています。ロスを完全になくすことは難しいかもしれませんが、ロスを最小限に抑えるよう全力を尽くします。

錦ボックスには、見過ごされがちな素材を活かしたお茶が数多く揃っています。例えば、黒豆茶には、品質に問題がないにもかかわらず廃棄されるはずだった割れ豆を使用しています。焙煎工程で自然に割れてしまう豆ですが、その独特の風味と健康効果を活かしています。同様に、スギナ茶は、かつては厄介者とされ、除草や焼却の対象となっていた野生のスギナから作られています。しかし、私たちはデトックス効果のある成分としての価値を認識し、お茶のラインナップに取り入れています。

お茶

「錦ボックス」に使用しているパスタスナックは、パスタの製造工程で発生する生地の端切れを原料としています。この端切れを主原料とすることで、廃棄物を最小限に抑え、「もったいない」という理念を実践しています。今後も、この箱にサステナブルな商品を積極的に取り入れていきます。

パスタスナック

私たちは、古代日本の文化に倣い、私たちに提供される食べ物に感謝し、大切にし、毎日健康的な選択をするよう努めるべきです。

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※参考:農林水産省『日本の食料自給率』

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